グレテルとわたし

もともとグレテルは好きでしたが、最初はやっぱり、ソワカちゃんのほうが好きでした。
グレテルちゃんのぱくり動画を作りはじめた頃は、最初の一枚を描いた時点で、なにこれこの複雑な絵のキャラと思い、シマッタもしかしたら自分は苦難の道を歩みはじめたかも、なんて思って、にが笑いをしたものです。やっぱりグレテルよりソワカちゃんだなあ、シンプルだし、とか考えていました。
ぱくり動画でグレテルを使ったのは、ほんもの動画でかっこよく登場したわりにはあっさりやられて、そのあと密猟の夜にも出てきたけどずーっと同じ絵が使われていたので、このあともう本編には出番がないキャラなのかなあ、と思ったからです。
わたしがぱくり動画を作った動機は、作っている人もたのしそうに見えたからまねしてみたかった、というのはもちろんありますが、護法少女ソワカちゃんがおもしろくて、もっと観たい、どんどん観たい、2次創作でもいいから観たい、誰か作らないかな、うーん待ちきれない、自分で作っちゃえ!みたいな感じでしょうか。いってみれば、リクエストみたいなものです。
最初のカラテソワカちゃんもまさにそれで、こんなのおもしろいかも、観たいなあ、と思って、ちょっと作ってみたんです。そしたら、なんかイメージとだいぶ違うものができちゃった、という失敗作です。あまりにひどくて逆におもしろいかも、と思って投稿してみました。それに、投稿しとけばもしかしたら、だれかが自分のイメージに近いものを作ってくれるかも、という淡い期待もあったんです。結果的には、やぶへび的なことになりました。
わたしの描く絵は、見ての通りの、絵についてまじめに探求している人が見たら怒り出しそうなものですが、一応まじめに描いてはいます。これでよし、完成!という見切りをつけるのがはやすぎるような気もしないではないですが、そのへんも実力のうちで、その程度の人なんだわたしは、と考えています。別に絵師を目指しているわけじゃないしー、と開きなおった気持ちも多少ありますが、絵のうまい人(わたしからみれば絵を描く人ぜんぶともいえますが)がたまに、ご自身の絵について謙遜や反省をされている文章を書いているのを目にすると、猛烈に自分が恥ずかしくなることがあります。あまりわたしを責めるもんじゃないよ、などとひとりごとをいいながら、どんよりとすこしだけ反省したりもします。
ぱくり動画を作る前は、ファン心理とでもいいましょうか、ソワカちゃんの作者であるkihirohitoさんは、自分とちょっと似ているのかも、と思ったこともあります。なにより絵が似ている気がしたのです。でも、動画ではじめてグレテルを描いたとき、自分のかんちがいであることに気がつきました。やっぱりすごい人だ、あんな複雑なキャラを生み出せるなんて!と思い知らされたものです。当時ほんもののグレテルは基本的には一枚しか描かれないでずーっと使いまわしていたみたいですけど、そこらへんもふくめてすごいと感服しました。もちろん、ほかにもすごいところはいっぱいありますけどね!
そんなわたしがグレテルちゃんをはじめとしたぱくり動画を粗製濫造することができたのは、やっぱりほんものの動画がおもしろいからなんだなあ、といつも思います。ほんものがおもしろいから2次創作もよりおもしろく思えてきて、わたしは護法少女ソワカちゃんタグがついた動画や絵は、どれも大好きです。ソワカちゃんの周辺には、わたしと同じように思っている人もいっぱいいて、そんな人たちがわたしみたいなものが作った動画でもよろこんでみてくれるのだなあ、と思うと、すごくうれしくなります。kihirohitoさんとソワカちゃんファンの人が作り出したソワカちゃんフィールドはひじょうに居心地がよくて、まるで冬のコタツのようです。ありがたいことでございます。
あと、グレテルちゃん動画を作っていたときに、ひょっとしたらわたしは、この世で一番たくさんグレテルを描いた人なんじゃないか、と思い、こころの支えにしていたことがあります。どうでしょうか、いまはあらためて自分の描いたものをみて、意外に数が少ないので一番じゃないかも、なんて思っていますが、数だけならこの世でグレテルを描いた人ベストいくつかにはいってるんじゃないかな。あまりわたしには自慢できることはないのですが、これはちょっと自慢です。すくなくともグレテルに関しては、kihirohitoさんより数は描いているんじゃないかなあ。いやわからないですけど。
わたしはもともと、もっとソワカちゃん動画を!という気持ちでグレテルのぱくり動画を作ったりしたわけなんですが、ちまたでいわれてるようなグレテル好き、というわけでもなかったんです。でも、そう思われているならちょっと描いてみようかな、とdrawrとかでへたな絵を描いているうちに、どんどんグレテルに興味が出てきてしまいました。もう、ソワカちゃんよりむしろグレテル、というふうになって、人はいわれ続けるとそうなっていく、みたいなことばがありますが、そうなっていったわけです。どうしてくれますか!いったいグレテルってホントのところどーなの!と妄想が飽和状態になりかけていたとき、ヤンデルとグレテルの「睡蓮散る散る月満ちる」が発表されたんです。これは感激しました。望んではいたけれど、まさか本当にこんな日がくるなんて!グレテルの新しい絵も入ってる!
これはわたしにとって、このたびの護法少女ソワカちゃんDVD化のおどろきと同じようなうれしい出来事でありました。DVDもびっくりしたなあ。
ついにDVD化実現で、ほんものグレテルもいよいよDVDで観れるのか、と思ったら、

ええー!乗の巻にはグレテルでてこないの!?
これでつづきのDVDが、よりいっそうのたのしみになったというものです。